ピザvsチキン!12月パーティ需要はどちらが高いか指数で明らかにする

 

はじめまして!電通ダイレクトフォース戦略コンサルティング部の小川と申します。デジタルマーケティングやダイレクトマーケティングを行っている広告マンです。

 

マメ研所長の松本さんが手がけられているエビスレポーティングサービスをきっかけに初めてお会いさせて頂き、計量経済学を用いた分析で広告効果の可視化をすることに興味が出て、自分でもデータサイエンスを学ぶ様になりました。今はクライアントサービスとして実践することも多くなりました。

今回は、松本さんの「心の弟子」として初のマメ研参加です!

元々電通グループのコテコテ体育会営業であった私が、データサイエンスを楽しめる様になった例を読者の皆様と共有させて頂きたいと思っております。

 

 今回は、私が普段の仕事で使うことが多いGoogle社が公開しているGoogle Trendのデータを使って検索数の時系列データから消費者ニーズの季節性を可視化してみよう!という内容です。

これは時系列データ解析によって広告効果を可視化していく「マーケティングミックスモデリング」の基礎情報となります。

私も師匠松本さんをきっかけにそれらの分析もしていますので、ご興味あれば弊社ホームページ内特設ページもご覧ください。(松本さんとの対談記事もあります)

 

年末のパーティ、需要が上がるのは「チキン」か?「ピザ」か?

もうすぐクリスマス、パーティの季節ですね!そこでふと私は思いました。

ピザ、チキン、ケーキ等、パーティで思い浮かぶ食べ物は色々とありますが、12月にそれらのニーズは通年の平均よりどれ位伸びるのでしょうか?

 

日本での検索ボリュームをGoogle Trendで調べてみましょう。

 

Google Trend検索結果
Google Trend検索結果

 

ケーキが圧勝ですね。グラフを見るだけでも年末12月をピークとした1年の周期性が見えてきます。

フライドチキンと宅配ピザの検索数は同程度です。ではこの2つで比較検証してみましょう。

 

ケーキを除いて再検索してみると…。
ケーキを除いて再検索してみると…。

 

ケーキを削除したら、拮抗していたフライドチキンと宅配ピザのキーワードの推移が見えてきました。ケーキ同様、年末12月をピークとした1年の周期性が見えてきます。

2008年以前のフライドチキンの12月の上昇はかなり大きいですね。

 

時系列データ解析は、「切り出す」期間の抽出視点が重要!

今回、私が気になったのはフライドチキンと宅配ピザの需要が12月にどの程度増えるのか?そのニーズを定量的に把握することです。その為、月毎の増減を指数化できないか?と考えます。

Google Trendのデフォルトで出てくる10年以上の長期期間の時系列データでは2008年以前のフライドチキンの検索数が特に急上昇していますが、果たしてその期間の数値は分析に必要でしょうか?また、その上昇要因が何なのかを探索することは今回の焦点ではありません。

フライドチキンと宅配ピザの12月のニーズを定量的に把握したいという今回のテーマにおいては、有意な時系列データサンプル数を確保しつつも、比較的最新の動向を把握する為には、どれ位の期間のデータを切り出して分析するのが良いか?という視点が重要です。

 

知りたいのは12月の季節性です。把握するには最低でも2年分、2回の12月が含まれる2年以上の期間が必須であると考えます。更にサンプルを増やしつつも、現在のニーズとは大きく傾向が変化している過去は除外したほうが良いと考え、3年~6年位を候補として想定します。

今回は12月のピークを4回含む期間(約4年)のデータを切り出して分析してみます。

 

分析に採用する数字は直近4年分。
分析に採用する数字は直近4年分。

 

12月のピークを4回含む期間として2011年の12月~2015年の11月までの期間を指定してデータを出し直してみました。

見たところ、フライドチキンのほうが12月のピークが大きい気もします。データを数字の行列で見るよりも線や図にして見ることもデータ分析においては非常に重要です。

 

直近4年間の推移に絞って表示。
直近4年間の推移に絞って表示。

 

では、改めてこの期間の数値からソフトウェアを用いて季節性を指数化してみましょう。

私は、サクっと月次の季節性を指数化する際のソフトとしてエクセルにアドインで機能追加して使用するソフトウェアの「マルチ予測」を使用しています。

 

「マルチ予測」の機能を使ってサクっと月次の季節性を指数化しよう!

Google Trendでは、キーワード検索の実数は出力できませんが、指数化した数値を出力できます。それを月次に整理したシートがこちらです。

「マルチ予測」をアドインしたエクセルでは、下記の様なタブが表示されます。今回は「月別平均法」という機能を使います。

 

マルチ予測タブが登場。月別平均法を選択。
マルチ予測タブが登場。月別平均法を選択。

 

データ範囲「フライドチキン」を指定し、開始月を入力してから「OK」ボタンを押します。

 

選択画面。
選択画面。

 

新規または指定したエクセルシートに分析結果を出力してくれます。(※画像はその一部です。)

「フライドチキン」の12月の月別指数は1.72です。この指数は通年平均が100%だとして、12月は172%にニーズが上昇する指標となります。

 

分析結果。12月の盛り上がりが一目でわかる。
分析結果。12月の盛り上がりが一目でわかる。

 

同じ方法で、宅配ピザの月別指数も算出したところ、12月は1.50でした。

12月のニーズ上昇(Google検索数を元にした場合)は1.72対1.50でフライドチキンの勝利でした!

また、宅配ピザは1月の月別指数も1.33と高いことが分かりました。

 

同様の手法で「ピザ」も検索。
同様の手法で「ピザ」も検索。

 

12-1月の2か月の月別指数の合計は、フライドチキンは2.71で宅配ピザは2.84です。

クリスマスと年末年始休みの合わせ技でのニーズ上昇は宅配ピザの勝利!といったところでしょうか。

冒頭で調べていたケーキはどうでしょう?マルチ予測で分析する方法をご紹介しましたが、そのソフトウェアが無くても、エクセルの「移動平均法」を用いることで似た様な分析ができます。

過去の記事で松本さんがご説明していますね。ぜひ皆様もやってみてください!

 

身近なデータを見て触ってみると、「発見」があるから面白い!

いかがでしたか?

自社のサービスや商品のニーズの季節性に対して、「○月は繁忙期だ!」といった会話がマーケティング業務の中で良く聞こえてきます。

しかし、それが通年平均に対して何パーセント上昇または下降しそうなのかを月ごとに指数化して把握していらっしゃいますか?

月次の季節変動を把握することは、時系列データの解析からプロモーションやTVCMなどの広告効果を定量化する「マーケティングミックスモデリング」の基礎情報にもなります。

 

読者の皆様のリアクションを頂ければ、ぜひ2回目以降もそういったテーマでの続投寄稿のチャンスを頂けるかもしれません!

私が申し上げたいのは「統計学!?」と身構えないことです。

バズワードでもありません。統計学は最強に「面白い学問」です。学生時代に数学が赤点だった私でさえ、今はそう思えています。

その面白さにハマったことで統計素人だった私も、マメ研記事でも良く登場するコマンド型の世界標準のフリーソフトウェアの「R」を触って勉強しました。達人への道はまだ遠く(笑)。

 

もう少しとっつきやすいグラフィックインターフェイス型の有料ソフトウェアの「SPSS」などを買う前に、もっと気軽なものは?と色々探しました。その一つが今回使用した「マルチ予測」です。

エクセルアドイン型の統計ソフトはフリーウェアを含めて実は色々とあります。

まずは、エクセルの基本機能として使える「データ分析」のアドイン機能をオンにして、触ってみることです。

そして、身近に興味あることのデータを用いて今回の様に「サクっ」と可視化してみると、マーケティングの打ち手につながるヒントを発見できます。それが面白いんです!

読者の皆様にそんな楽しさを共有させて頂ければと思っております。

有難うございました。