第1回インハウスリスティング広告支援セミナーレポート

※今回は活動レポートです。

一昔前までは、リスティング運用を代理店に委託をすることが常識となっていましたが、近年ではノウハウの蓄積や、管理コスト、マーケティング施策の統合のため、リスティングのインハウス化に向けた取り組みを進めている、もしくは希望する企業を多くみかけるようになりました。

しかし、取り組みを進める企業が増えている一方、問題や課題も少なくなく、そういった情報共有ができる場が少ないことがインハウス化のデメリット1つとしてあります。

そのような方々に対しての支援を目的として10月12日(金)に、株式会社アナグラム 阿部氏、TATEITO株式会社 橋野氏をゲストに招き、「インハウスリスティング広告支援セミナー」を開催致しました。
今回はその様子をレポートさせていただきます。

まず、リスティング広告をインハウス化している企業の方々は、どのような課題を感じているのか、株式会社ロックオンでは事前アンケートを実施致しました。

その結果は下記の通り。

現在課題に感じていることは?(複数回答可)
1位キーワード広告文の生成・管理69%
2位キャンペーン・グループの設計52%
3位マーケティング組織・社内体制48%
4位レポーティング作成45%
4位メディアタイプ別の運用管理45%
6位その他17%

意外にも、インハウス特有の課題である「マーケティング組織・社内体制」などではなく、リスティング広告の基本でもある「キーワード広告文の生成・管理」に対して課題を感じている方が最も多いという結果になりました。

そこで、今回のセミナーは、下記の3部構成で開催致しました。

第1部
「実践的!リスティング戦略の土台を作るために」

阿部氏・橋野氏によるリスティング広告戦略立案のディスカッション
第2部
「ワークショップ(グループディスカッション)」

戦略立案方法に沿って、キーワード・広告文を実際に作成
第3部
「リスティング運用の疑問・お悩みについて質疑応答」

事前にご質問を頂き、その中からプロの講師陣が回答

第1部:「実践的!リスティング戦略の土台を作るために」

株式会社ロックオン一木がモデレーターとなり、リスティング戦略の土台を作るためのポイントを下記のように4つ分けて、阿部氏、橋野氏にディスカッションしていただきました。


【その1】他社サービスと違うユニークな特徴
【その2】その特徴がお客様にとって魅力的な点
【その3】その特徴を明確に伝えることができる
【その4】誰に提供するのか?

印象に残った発言をご紹介させていただきます。

【阿部氏】
広告文を作成する際には、特徴を明確に伝えるために、そのサービスを購入することで「どうゆう気持ちになるのか」ということを考えています。
例えば1個3,000円の日用品を買ってもらうってとても大変なことだと思うんですよね。
近所で400円も出せば買える日用品を、しかもわかりにくいネットで買うという意味で。
なので「3,000円の日用品が欲しい」ということよりも、「ちょっと幸せになりたい」、もっとわかりやすく言うと、「ハッピーになりたい」ということをハッピーとは言わず、どう表現するかということを常に考えています。

【橋野氏】
誰に提供するのかを考える時に気をつけていることは、はじめからターゲットを絞り過ぎずに段階的に設計することです。よくやりがちな失敗の例として、コアなターゲットだけをどんどん細かく設定してしまい、そこにリーチしたあと次の層へのアプローチを広げる際に苦労する事が有ります。
まずはターゲットとなりそうな層を広く段階的に設定して、優先順位をつけてアプローチしていくというやり方をみなさまにも実践いただきたいですね。

【一木】
他社サービスと違うユニークな特徴って、実は提供側が気付いていないケースも少なくないと思うんです。
僕の実際の体験談なのですが、ズボンのシワ取りのために、シワ取りスプレーを使っていたのですが、実は衣料の材質によって、シミになってしまう場合があったんです。で、偶然、他の製品を使う機会があって、それはシミにならない。もうすぐ買いましたね(笑)
でも、その商品の訴求ポイントは「シワ取り」と「香り」なんです。シミにならない!
なんて訴求はしていないんですよ。僕は「シミにならない」という点で選んでいるのに。

第2部:「ワークショップ(グループディスカッション)」

第1部のディスカッションの内容をもとに、参加者の方々にグループディスカッションをしながら実際にキーワード・広告文の作成をしていただきました。

以下、参加者の声を抜粋させていただきました。

なによりもワークショップが非常に有意義で、そして刺激的でした。
皆さんの自社のサービスに対する熱意と愛情が伝わってきましたし、新鮮な発想やプロセスにとても感銘を受け、励まされました。班のメンバー構成もバランスが良かったのかもしれません。

参加者皆様のモチベーションが高く、少しでも自社(自分)の運用の方向性を確かめたいという想いが伝わり(もちろん私も同様)、非常に有意義な情報交換の場に感じました。

インハウスリスティングは横の繋がりを作りづらいため、今回のような機会を頂けたこと、深く感謝しております。今後も継続的にご開催頂けますと幸いです。テーマについては、リスティングも良いですが、SEOやWeb解析などリスティングの周辺にもスポットを当てて頂けるとありがたく存じます。

一方的な講演形式ではなく、ワークショップ型のセミナーへの満足度が高い結果となりました。やはりみなさま情報共有の場の少なさを、課題に感じているということだと思います。

第3部:「リスティング運用の疑問・お悩みについて質疑応答」

実際のご質問内容や、それに対する回答については省略させて頂きますが、インハウス運用ならではの課題に対するご相談、社内体制・レポート報告に関する質問や運用のテクニックに関する質問まで、積極的に、時間いっぱいまでご質問いただきました。

その後の懇親会も、予定人数の2倍の方にご参加いただき、普段、なかなか相談できないことや、それぞれの想いなどを共有し、横のつながりが深まったのではないかと思います。

まとめ

セミナー終了後に阿部氏・橋野氏とも話をしましたが、結果的に大成功だった言っても過言ではないと思います。点数を付けるなら100点満点中、2,000点くらいだと思います(笑)
その理由は、ご来場いただいたリスティング担当者さん達がとても積極的で、当初の目的だった「担当者同志の横の繋がり」を自発的に構築していたこと、立場に関係なく、デジタルマーケティングに対して真剣に向き合い・共有できたことにあります。

既に第2回を希望する声も頂いており、忘年会も兼ねて(笑)12月頃にやりたいと、勝手に思っております。なお、株式会社ロックオンでは引き続き、インハウスリスティング広告の支援をおこなう活動を予定していますので、企業担当者の方はどんどん参加くださいませ!

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