ビッグデータで今もっとも購買意欲の高い都道府県を明らかにする!


いつもはマメ研先生とアドテク女子の対談でお送りする「エビスINDEX」シリーズですが、今回は趣向を変えて、マメ研助手から准教授(自称)に昇進した私の一人語りで進めていきたいと思います。

年の瀬も迫ってまいりました12月、皆さんにとって2013年はどういう年でしたか?

「じぇじぇじぇ!」な「お・も・て・な・し」を「倍返し」するなら「今でしょ!」な2013年だったのではないでしょうか。


5年後、10年後という「歴史」的観点から見れば、アベノミクスによるデフレ脱却と景気回復というのが1つのキーワードになる、なんてことも言われております。

実際、日本銀行が発表する企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観(※1)を見ても、景気回復の波は都会だけでなく全国各地に普及している様子が見てとれます。


そこで今回は、今年1年間で一番景気の良い都道府県(最も物を買っている都道府県)はどこだったのかを膨大なビッグデータ群であるエビスINDEXから割り出してみようと思います。


都道府県別インターネット人口をオープンデータから割り出す

今回利用するエビスINDEXは、「都道府県別の物品購入件数(CV件数)」です。

ただ、都道府県別の物品購入件数(CV件数)を算出しても、当たり前ですが、人口等の「サイズ」に影響を受けてしまいます。まず、東京都が一番になってしまいます。そこで、まずはサイズの影響力を除去する作業に取り掛かります。

今回最も大きなサイズは人口でしょうから、まず都道府県別人口を割り出すことにします。これは総務省が公表している「日本の統計」(※2)の中から「都道府県別人口と人口増減率」を参考にします。


とは言っても、この数値は総人口であり、インターネットに触れている人口と必ずしもイコールでは無いと思われます。例えば、うちのお祖父ちゃんはパソコンNG、ケータイNG、ネット何それ飲んだらヒザが楽になんの?という感じです。今でも家の固定電話から私に電話を掛けてきます。

そこで、同じく総務省が公表している「通信利用動向調査」(※3)の中から、「年齢階層別インターネット利用率の推移」と「都道府県別インターネット利用率」を参考に、それぞれの数値を掛け合せてマメ研独自の「都道府県別インターネット人口」を作成しました。

念のため「都道府県別インターネット人口」=「年齢階層別利用率」×「都道府県別人口」と「通信利用動向調査」の「都道府県別利用率」で相関係数を確認したところ「0.72」と高い正の相関関係を示唆していました。この処理で変なことにはならないでしょう。

そして、東京都のインターネット人口を各都道府県のインターネット人口で割ります。東京都が「1」となるので、各都道府県のインターネット人口が減るほど「比率」は高くなります。


インターネット人口比


この「比率」に、都道府県別の物品購入件数(CV件数)を掛け合せれば、都道府県毎に比較し辛い最大の理由である「人口」の要素を排除した、各都道府県が本来持っている「今まで見えていなかったポテンシャル」が明らかになるのです。


EC業界における都道府県別物品購入件数(CV件数)

物品購入件数(CV件数)のうち、EC業界2業種(食料品、アパレル)に焦点を絞ってみました。

リアルなCV件数は出せないので、最もCV件数が少ない都道府県(佐賀)を「1」とした場合の各都道府県のCV件数を「比」に記載してみました。

対象期間は、2012年12月1日~2013年11月30日となります。

当たり前ですが、東京は圧倒的に件数が多く、上から大都市圏が順番に並ぶことが解ります。だいたいの並び位置も前述した人口順と同じです。


単純比率

さて、いよいよです。インターネット人口比を、こちらの表の比に掛け合せます。

この数字こそ、「人口」の要素を排除して、全ての都道府県をフラットに評価する数字となります。

「順位変動」とは掛け合せる前後で「順位」にどれくらい変動かあったかを表します。マイナスなら順位が下がったことを表し、数字が大きいほど大きく変動したことを意味します。

比率計算後

なんということでしょう。(加藤みどり風)

何と手堅い東京都&大阪府。一番景気の良い都道府県(最も物を買っている都道府県)は、東京都で決まりです。

ちょっと面白くない結果です。「人口」の要素は排除できました。が、もしかしたら、ECで商品を買うことに慣れている/いない、も大きく影響しているかもしれません。通信利用動向調査(※3)でも、大都市圏ほどEC利用度が高いという報告があります。


ちなみに、順位が一番大きく変動したのは徳島県でした。次いで和歌山県、高知県、福井県、鳥取県になります。

徳島なんじょ


この傾向は、他に調査した業種でも見られましたので、偶然の一致とは言えないと考えます。特に、四国2県が入ってきているのは意外でした。(4県とも、順位は上に変動しました)

日本銀行が公表している地域経済報告(通称:さくらレポート)(※4)では、四国経済は「緩やかに回復している」と他地域と比べて「弱い景気回復」だと表現されますが、EC領域においては、少し違う実態が出ているようです。

つまりこの5県―徳島県、和歌山県、高知県、福井県、鳥取県は、人口の少なさによって隠れていたけど、実はめちゃくちゃモノを買っている、かなり景気の良い(あるいは良くなっている)県というわけです。


もちろん、この全てをして景気の良し悪しが判断できるものではありません。エビスINDEXというビッグデータを活用すればこんなことも見えてきます、という活用事例の紹介でした。

おまけ

メリークリスマス!ということで、今回の内容を皆さんが分析されているデータにも活用して欲しいと考え、マメ研独自の「都道府県別インターネット人口」をコチラからDLできるようにしました

アドエビスをご利用のお客様は、「ADエビス」>「地域別分析」からCSV形式でDLを行い、その出力結果を「【CSV出力結果挿入先】」に貼り付けるだけで、「加工結果」に、人口のサイズをならした結果が表示されます。

対象はクリック数、全体CV、広告コスト、売上総額がとなっております。

今までなかった気付きが得られることを期待しています。それでは、良いお年を!


【参考文献】

※1:http://www.boj.or.jp/statistics/tk/
※2:http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm
※3:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a/h24doukou.html
※4:http://www.boj.or.jp/research/brp/rer/


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