PPAPが2017年1月にはピークを終えそう…ブランドが守るべき?「目新しさ >慣れ」の法則

松本 健太郎

 

ロックオンで一番テレビ大好きなマメ研所長が最近胸を痛めていることは「芸人の使い捨て」です。

2016年12月現在も、ペンをアップルとパイナップルに突き刺している元祖リズム芸人が擦り切れるくらいに消費されています。

もはや大衆の関心は「彼が一発屋芸人として華々しく散るのはいつか?」に向いているでしょう。私は正月の爆笑ヒットパレードが相応しいと思っています。

実際、Googleトレンドでは既に下り坂に…。流行語大賞も逃しましたしね。

そこで今回はGoogleトレンドを使って芸能人の「旬」と、愛され続ける力を保つ「法則」について考えたいと思います。

 

Googleトレンドで芸能人の「流行り」を調べる

GoogleはキーワードプランナーやGoogleトレンドといったマーケティングトレンドを把握するために便利なツールを提供しています。

試しにGoogleトレンドで「PPAP」「ピコ太郎」と検索してみましょう。Google検索でユーザーがどれだけ検索しているかというトレンドが可視化されます。

絶対数ではありませんが時系列推移が分かります。さらに最大5つのキーワードを含めて比べられるので相対比較もできます。トレンドの変化を把握するために、ここまで便利なツールはありません。

 


 

Googleトレンドを使えば、トレンドの予兆、発展、絶頂、衰退が手に取るように分かります。

そこで、いわゆる一発屋と呼ばれる芸能人の名前や、その当時に使っていたギャグをGoogleトレンドで検索してみました。

 

例えば紅白出場が決まって、再び人気が出始めることが予想される、この二人。

 


 

予兆も発展も無くいきなり絶頂を迎えている「PERFECT HUMAN」ですが、これは2016年2月13日のENGEIグランドスラム放送の影響だと思われます。

私もリアルタイムで見ていました。

ナイナイ岡村のガヤが本当に邪魔でしたし、オリラジが武勇伝に続く2度目のブレイクを果たすことを確信しましたし、どぶろっくが女を連呼していたことを視聴者の99.99%が忘れても私だけは忘れないと心に誓いました。

ちなみに関西では「RADIO FISH」は作詞:吉井和哉、作曲・プロデュース:Jeff Miyaharaの「開花宣言」であることを強く訴えたいので、あえて検索していません。

 

この他、様々なリズムネタ芸人、一発屋芸人をGoogleトレンドで検索を行い、そのデータを一元化してみました。

こちらをご覧下さい。

 
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ピコ太郎が圧倒的過ぎるので、これを除いてみると…。

 
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スギちゃんとトレンディエンジェル凄いな、ってなります。

ちなみにギャグだと…。

 
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まぁ、この頃はとくに子供が「ラッスンゴレライ!」言うてましたからねぇ。こうなるのでしょう。

ちなみに2014年12月ぐらいからトレンドが伸び始めていますが、これはABC系列「ごきげん!ブランニュ」がキッカケです。

このTV番組で8.6秒バズーカ登場⇒トミーズ雅大絶賛⇒子供が真似する⇒人気に火がつくという良いスパイラルを生み出しました。

 

トレンドをモデルに置き換える

トレンドの内訳を見ると「PERFECT HUMAN」のようないきなりトレンド急上昇は殆どいなくて、予兆、発展、絶頂、衰退を辿ることがわかります。

ちなみに「PERFECT HUMAN」のトレンドはa*EXP(-0.05/500*週次*1000)という、よく分かんない指数関数が最も良い当てはまりとなりました。

a=”最初の盛り上がりが大切”というわけで、どれくらい初速でバイラルをかけられるか?というインターネット時代の申し子みたいなモデルですね。

 

それ以外については、この2つに分かれました。

1:綺麗に正規分布したようなトレンドモデル(「ラッスンゴレライ」や「日本エレキテル連合」や「あったかいんだからぁ」)
2:右に向けて尻尾が長いトレンドモデル(μ=-2のような)(「とにかく明るい安村」や「トレンディエンジェル」)

綺麗に正規分布したようなトレンドは、すでに衰退を終えた、すなわち「真の一発屋」です。頂点を中心に同じぐらいの時間をかけて発展し、また飽きられて衰退するという傾向を表しています。

一方で、右に向けて尻尾が長いトレンドは、絶頂は終えたものの、まだ衰退を終えていない(終えようとしている)「頑張っている一発屋」と考えられます。息が長いです。

 

では、ピコ太郎およびPPAPをみてみましょう。

9月18日週に予兆からいきなり発展を迎え、10月30日週をピークにして、少しずつトレンドが下がっています。

今の段階では「真の一発屋」なのか「頑張っている一発屋」なのかまでは見えませんが、これまでのトレンドの傾向を踏まえると
2017年1月にはトレンドが限りなく0に近付くと考えられます。

望みの綱は、2017年1月20日に行われる次期大統領候補トランプ氏の大統領就任式に、孫が好きだからという理由で招待されることぐらいでしょうか。

 

ブランドとトレンドの関係性については、今後も研究課題として引き続き取り組んで行きたいと思います。

もし興味を持たれた方は、本コンテンツのご意見・ご感想なんかも合わせてメッセージいただけると幸いです。

 

使い捨てられる芸能人は「ブランド」になり得るか?

歌手1年、総理2年の使い捨てと詠んだのはDAIGOのお祖父さんである竹下登でしたが、いつだって「芸」は使われる運命と共にあったということでしょう。

それは商品だって同じ。日経MJが発表するヒット商品番付のうち、年月が経って今現在も愛用されている商品はいったいどれほどあるでしょう

ちなみに2015年西の横綱は「ラグビー桜ジャパン」でした。五郎丸の浣腸ポーズ、もう皆さんしないでしょ?

注目を集めるということと、長く使われるということは違うのでしょう。

 

そこで考えたいのが「ブランド」についてです。

芸人はブランドになりえるのでしょうか?

そもそもの語源は焼印を押すという意味の”burned”にある通り、自分の所有物を他者と区別することがブランドの第一義的な役割とされています。

つまり他との違いを表す象徴がブランドなのです。

ロゴであったり、口コミであったり、象徴は有形・無形を問わず存在します。大抵は「自分にとっての他との”絶対的”な違いを表し続ける存在」としてブランドは語られます。

したがって注目を集めるだけではブランドとは言えないわけです。twitterのタイムラインは埋まっても、1日と続かないからです。

多くのブランドは、象徴を維持するために違いを出し続けようと血の滲む努力を続けておられます。「鏡の国のアリス」で言う通りその場にとどまるためには全力で走り続けなければならないのです。

その最たる努力が陳腐化です。かのドラッカーは「非営利組織の経営」の中で次のように述べています。

人の手になるものはすべて陳腐化する。だから置き換えなければならない。

芸人はどうでしょうか。

芸が陳腐化すると飽きられる運命にあります。

目新しさを慣れが超えるからです。PPAPしかり、ラッスンゴレライしかり、一定層以上に繰り返すリーチすると、目新しさが無くなり、慣れが始まり、飽きが訪れます。

したがって芸人たちは陳腐化を防ぐために自ら陳腐化に挑み、芸の中身を少しずつリニューアルし、芸そのものを確立させるしかありません。

それがブランドであり、飽きられない秘訣だと言えそうです。

代表例が柳沢慎吾の「ひとり甲子園」です。いつまで1998年の横浜高校対PL学園やってんだ!と思いますが、実は毎回微妙にその内容を変えていて、ついには孫を応援するおばあちゃんまで登場。

ここまでくると、1人で最後まで投げ切ってほしいと思います。

SMAP中居正広が「(柳沢)慎吾さんってブームはあんまり来ないんですけど、ずっと第一線でいますよね」と評価したそうですが(柳沢自身が言っている)、自ら陳腐化を防ぐ芸人は第一線でいられるし、だからこそ「ブランド」を保てるのだと思います。

 

ピケティの公式を彷彿とさせる「目新しさ >慣れ」の法則は、どのブランドにも当てはまるのではないでしょうか。

愛されるブランドは、いつ見ても変わらないために、変わり続ける努力をしています。それは「目新しさ >慣れ」の法則を守り続けるためだと思います。

私たちのブランドも愛され続けるための努力として、変わり続けることを肝に銘じないといけないなぁと思います。