「TCPA」 ~間接効果を含んだ新指標


ネット広告の効果指標として、獲得効率を評価するCPAは広く利用されています。
1件の獲得に対して費用がいくらかかったのかを表す、わかりやすい指標です。

しかし、CPAだけを重視して広告キャンペーンのPDCAを回していると、
直接的な獲得以外の効果も期待される認知系の広告(バナー広告やリスティング広告のビッグワードなど)は、
どうしても評価が悪くなり停止対象になってしまいます。
認知系の広告も一定の効果があると、何となくはみなさん感じていると思うのですが、
CPAの様な表面的・直接的な指標では、どうしても過小評価されてしまっています。

その解決策として「間接効果指標」が期待されましたが、
評価方法が確立されていなかったり分析が複雑になるため、概念のみで実用には至っていませんでした。


そこで今回、直接効果に間接効果を包含した一元的な
広告効果指標「TCPA(Total Cost Per Action)」を開発しました。
「TCPA」は、よりシンプルに、広告の組合せをコミュニケーション戦略に合わせて
プランニングすることを目的としています。

TCPA は、ユーザがコンバージョンに至るまでに経由した広告CPCを合算したものです。
CPAは“コンバージョンさせた広告”だけに注目しているのに対し、
TCPAは“ユーザ単位”でコンバージョンに掛かる費用全てを計算しています。

上図の例では、
ユーザAの場合、CPAは200円、ユーザBの場合にCPAは80円となります。
しかし、TCPAで評価すると、ユーザAはコンバージョンした広告Cの前に
広告Aと広告Bを経由しておりTCPAは360円になります。
ユーザBは広告Gの前に3つの広告を経由しており、TCPAは500円になります。

つまり、CPAで評価するとユーザBのケースの方が効率がよく見えますが、
実際に掛かっているコストと利益をTCPAで計算すると
直前コストが高いユーザAのケースの方が却って効率的ということがわかります。

「TCPA」と「CPA」の違いを別の角度から見てみます。
下表の4つのケースで、広告Aの評価を行う場合

ケース1: TCPAによる再評価を行っても、CPAで評価した時と同じ評価になります。
ケース2: TCPAによる再評価を行った場合、間接効果として広告Aがあることから、
       CPAに間接効果がプラスされた評価になります。
ケース3: TCPAによる再評価を行った場合、間接に広告Bがあることによって
       CPAに広告Bがコストとして計上されるため、その分がマイナスされます。
ケース4: TCPAによる再評価を行っても、CPA評価の時と同じ評価になります。

このようにTCPAは、従来のように直接効果と間接効果を分けて考えるのではなく、
直接効果と間接効果を一元尺度に落とし込んだ、広告効果指標です。

また態度変容に対し重みづけをおこなうことで、コミュニケーション全体の最適化が可能になります。
例えば、これまでには考えられなかったことですが、

・ 認知系にコストをより多く配分した方が、獲得効率を上げられる
・ CPAの高い広告Xは、実は全体効率を考えると必須の広告だ

などといったシミュレーション結果が導かれることもあります。

このTCPAを使って、広告の最適化により近づけるように鋭意研究中です。
また、何か新しい発見がありましたら、発表させて頂きます。