パ・リーグ首位を独走する最強ソフトバンクホークスの弱点を探せ!

 
2016年のプロ野球も前半戦が終了。当研究所が予想した通り(参考記事はコチラ)、約80試合を終えてパはソフトバンク、セは広島が首位を独走しています。

相変わらずソフトバンクは圧倒的な強さを見せており、殆どのプロ野球ファンが「今年モカ」と思っているに違いありません。

しかし、果たしてそれでいいのでしょうか?圧倒的な強さを前にして、3位以内であれば良いと舵を切るのはまだ早いです。

今回は最強ソフトバンクをデータ分析して、その弱点を探したいと思います。

ちなみにデータはオールスター終了時点のものです。そして、ここ最近ソフトバンクの進撃度が落ちていることに「こんにゃろー」という感情を抱かずにいられません。

 

得点面から弱点を探る

前半戦各試合の得点をイニング別に集計し、折れ線グラフで表してみました。

 
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ソフトバンク=強力打線というイメージがありますが、打者1順目という目線で見れば日本ハムの方が強力のようです。

初回になるべく多く点を取るというのはV9巨人の特徴でもあり、工藤監督も栗山監督も「解っているなぁ」という感じです。

 

さて、これだけでは特徴を見出しにくいので、6球団の平均値との差を積上げ棒グラフで表しています。

各球団の得点は以下のようになっているので、当然ソフトバンク>ロッテ>日ハム>西武>楽天>オリックスの順に折れ線グラフは高い位置を推移するはずです。

 

得点
得点

 

しかし、ソフトバンクが下から数えた方が早いイニングもあるわけで、そこに球団の特徴が見えてくるはずです。結果は以下の通りです。

 
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1回は平均のバラつきが大きく出ています。やはり、このグラフで見ても初回スタートダッシュがいかに際立っているか解りますね。

ソフトバンクは2回、6回、7回の得点が平均以下という結果になりました。打線の巡り合わせを考えると、下位打線か、1・2番の回ではないかと思います。

調べてみると案の定でした。打順別成績を見ると2番は打率.238で出塁率.283、8番は打率.204で出塁率.274と6球団の中で一番低く、ここで打線が点に切れている可能性があります。

「鎖の強さは一番弱い鎖で決まる」という格言の通り、2番と8番で確実にアウトを取れば、強力打線もそう怖いものではありません。

 

ちなみに、得点回数の分布(1試合9イニング中何イニング得点することができたかを表す分布)を見ると、ソフトバンクと日ハムは似たような推移を辿っています。

 
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ソフトバンクのほうが若干、1試合あたりで多くのイニングで得点をあげているので「強力打線」のイメージが強いのかもしれません。「ノーアウト満塁は点が入らない」神話と同様ですね。

2番と8番でしっかり鎖を断ち切る。これが大事です。

 

失点面から弱点を探る

 

続いて、前半戦各試合の失点をイニング別に集計し、折れ線グラフで表してみました。

 
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ソフトバンクの初回、2回の失点の低さが目をひきます。実際、QS率は65.1%と6球団でトップ、さらにQS勝率が0.784とこれも6球団でトップ。投打が噛み合うとはまさにこのことでしょう。

ちなみに日ハムはQS率59.0%でリーグ2位、QS勝率0.694で同じくリーグ2位です。

失点回数分布(1試合9イニング中何イニング失点を許したかを表す分布)を見ても、失点を許した回数は1回~3回(イニングではなくカウントである)に集中しており、なかなか失点を許さない投手陣であることが窺えます。

 
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ただし、ソフトバンクのイニング別失点推移は、後半になるにつれて右肩上がりにも見えます。得点と同じように、6球団の平均値との差を積上げ棒グラフで表してみましょう。

各球団の失点は以下のようになっているので、当然ソフトバンク>日ハム>ロッテ>西武>楽天>オリックスの順に折れ線グラフは高い位置を推移するはずです。

 

失点
失点

 

 
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ソフトバンクと日本ハムだけが、イニング全てで平均を下回っていました。そりゃ、優勝候補なわけです。得点のグラフと比較して形状が違うのは交流戦の影響だと思われます。だらしないセリーグに喝!です。

ところで日本ハムは7回~8回にかなり平均を下回り、ソフトバンクは5回以降ほぼ平均に近く推移しています。

日本ハムに関しては中継ぎ陣の厚さ(宮西、マーティンが中心)と抑えの増井の不安定さを如実に表していますね。

ソフトバンクに関しては福岡界隈で「魔の7回」と言われるように先発が中盤から崩れ出すのが傾向として表れています。

秋山ソフトバンク時代はSBM(摂津・ファルケンボーグ・馬原)が7回から出ずっぱりで先行逃げ切り型の試合展開でしたが、先発完投に拘る工藤監督なのか、2016年はこれといった「勝利の方程式」を築いていないようです。

 

つまりチャンスは後半にありということです。特に、6回以降にバテ始めた先発陣を打ち崩せるか?が鍵を握っていると思われます。

ソフトバンクの先発投手陣の防御率は3.05、救援防御率は2.63と失点推移グラフと見比べて違和感のある数字になっています。これは5回以降の失点の原因は先発にあると考えれば納得がいきます。

工藤監督は投手交代が(恐らく意図的に)遅い人だと思われます。3年先の先発投手王国を見据えているのでしょうが、ここはその戦略にあえて乗って、叩けるときに一気に叩きましょう。

ちなみに、ソフトバンクは1点差勝利が17勝9敗と非常に強く、最強クローザーであるサファテがいますので、仕掛けるなら6~8回です。

 

勝ち試合負け試合から傾向を探る

 

攻撃陣、投手陣の弱点が見えてきたところで、最後に勝ち試合と負け試合の傾向を見ておきましょう。

勝ち試合と負け試合で恐らく傾向は違うはずで、ソフトバンクを打ち負かすにはその傾向を掴むことが大事です。

まず、勝ち試合の得失点を見てみましょう。得点はプラス、失点はマイナスで表現しています。

 
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圧倒的な得点力。ソフトバンクは前半(1~3回)、中盤(4~6回)、後半(7~9回)とほぼ均等に得点を積み重ねています。

一方で、勝ち試合であっても後半の失点が前半・中盤と比べて多いことが解ります。

次に、負け試合の得失点を見てみましょう。

 
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負けに不思議の負けなし!

見るべきは、負け試合における圧倒的な得点量の少なさです。実はソフトバンクは3回終了時点で負けている場合の勝率が.154(2勝11敗)と非常に分が悪いのです。

日本ハムは同じような推移を示していながら.292(7勝17敗)とほぼ倍の勝率を見せているので、ソフトバンクの負けっぷりが際立ちますね。

ただし、QS率リーグトップ、初回得点リーグ2位のソフトバンクを相手に3回までに先行するというのは至難の技。

まず打順1順目で得点を許さないこと!これを定石として接戦に持ち込み、6~8回に勝ち越すのが1つの方程式と考えるべきなのでしょう。

 

まとめ

 

攻撃陣なら2番と8番で打線を断ち切る。投手陣なら先発相手に6~8回に打ち崩す。これが最強ソフトバンクに見える数少ない弱点だということが解りました。

だいたい6回までに打線を2失点以内に抑えて、6~8回に3点取るイメージでしょうか。さすがにこれを繰り返されると工藤監督も戦術を変えてきそうですが。

とはいえだらしないのは日本ハムを除く他の4球団です。

今までのグラフを見て貰えば解るように、初回失点が多くて波に乗れないロッテ、得点分布から察するに特定打者起点でしか打点を稼げない楽天、勝ち試合と負け試合での得点差が一番少なく投打が噛み合っていないことを伺わせる西武、何をやってもダメなオリックス(勝ち試合での失点量は一番少ないけど)、まさに「負けに不思議の負けなし」です。

2016年はソフトバンクが強いのではなく、他4球団に隙があるだけなのかもしれません。

プロ野球も後半戦、ますます優勝争いが面白くなりますように。