どの施策が効いたの?オウンドメディアの成長を「見える化」する

はじめまして。京都産業大学に通っている村松健太と申します。この秋からマメ研にインターンとして参加しています。

今回は第1回研究成果の発表を行いたいと思います。

 

「自社メディア(マメ研サイト)の成長度合いを見える化せよ!」というお題をいただきました。所長である松本さんからデータを貰ったので、次のような分析を行いました。

 

まずはプロットして「見える化」する

過去3年間分(2012/6/25~2015/9/30)のマメ研サイトのPV数をプロットしてみました。

ポイントは線で表現しない点です。ギザギザして非常に見づらくなると思ったからです。そこで、2012年6月25日からの経過日数での散布図を作成してみました。

 

2013年~2015年日毎PV数

マメ研のPV数が、ある点を境にして右肩上がりで伸びている事が解ります。

また、増加率が一気に伸びたのは2014年7月24日から2014年8月13日にかけてでした。

この周辺で起きた出来事を調べると、ロックオンは2014年8月11日に東京証券取引所マザーズ市場への上場承認を発表していました。

この上場発表を期にロックオンに注目が集まり、それに伴ってマメ研のPV数も増えたのではないか?と考えます。

 

季節変動を明らかにする

次に、季節変動を調べてみます。トレンドやシーズン性を知れば、どの時期に盛り上がるかが知れます。

この分析には、Rを使いました。

 

data <- read.csv(“mame.csv”);
head(data);
ts<-ts(data$mame_pv,start=c(2012,176),frequency=365);
head(ts);
stl <- stl(ts,s.window=”per”);
plot(stl);

 

結果はこのようになっています。

 

Rでの分析結果

見方は、上から順番に、

data:元々のマメ研サイトのPV
seasonal:周期的な季節傾向
trend:長期の変化傾向
random:data – seasonal – random の結果

となります。

 

まずtrendを見ると、アクセスが上昇する兆しが2013年7月ごろからあったことがわかります。

所長に聞いてみると、体制が変更して、現所長と前所長のコンテンツ掲載が始まった時期だそうです。

 

次にseasonalに目を向けると、あまり規則性は無いようです。記事自体に季節トレンドのようなものは無いと考えられます。

一方、所長は「阪神タイガース優勝ネタは、阪神が本当に優勝するかもしれない9月前半はめっちゃ流入数多かったけど、たった1カ月で表示もされへんくなった」と嘆いていました。

記事単位で見れば、そういうこともあるのかぁ、と思いました。

 

平日と休日、どちらのほうがアクセス数は多いか?

最後に、平日・休日で傾向が違うか確認したいと思います。

2014/5/25以降のマメ研のPVをプロットしてみまました。

 

2014/5/25以降のマメ研のPV数

上場後のマメ研のPV数は2傾向に分かれている事が解ります。

調べてみると、「PV数が多い日」は平日、「PV数が少ない日」は休日、という特徴がありました。

平日におけるPV数(mame_pv_weekdays)と週末におけるPV数(mame_pv_weekends)をヒストグラムで観ると解りやすいです。

 

平日のPV数のヒストグラム

 

休日のPV数のヒストグラム

コンテンツの殆どが平日に公開されていることを差し引いたとしても、平日のほうがPV数が多いです。

読者の殆どが平日はPC/スマホで閲覧しているユーザー、つまり社会人なのでは?と推測します。

Facebook運用の成長度を見える化する

最後に、facebookに関して少し触れます。マメ研ではPV数を増やすためにfacebook運用に力を入れているらしいのですが、その成果も見てみます。

重回帰分析で、facebookのいいね数や投稿回数がマメ研のPV数を増やす結果に繋がったかを見てみます。

 

回帰分析の結果。

「マメ研のPV数 = -578.36 + 0.67 × Facebookいいね数 + 133.20 × facebookポスト数」という重回帰分析のモデルを作ってみると、補正R2で0.47とおよそ5割程度の当てはまりの良さを見せました。

t値にしてもおよそ±2〜3を上回っていますので、どちらも採用して良さそうです。

facebookのいいね数は1いいねあたり0.67pv、ポスト数は1回あたり133pvを獲得するそうです。ここ1年の平均的なPV数が500なので、それと比べると十分に効果があると考えられます。

ただし全く何もない状態だと-578pvというのが違和感があります。切片が0になるような重回帰分析が必要だと後から気付きました。

また、1いいね獲得におけるPV数については、線形モデルがいいのか指数モデルがいいのかは考えどころですが、これ以上は複雑になりそうなので止めておきます。

 

まとめ

今回の分析で次のことがわかりました。

 

  • 前所長、現所長が分析結果を投稿するようになってからPV数が増えるようになった。
  • 上場がPV数増加を加速させた。
  • マメ研サイトは平日に読まれるサイトだ。(そういう読者層だ。)
  • Facebookなどのソーシャルメディアは、オウンドメディアへの集客という観点では相性が良い?

 

今回は与えられたお題に沿って分析をしてみましたが、途中で何度も迷子になってしまい、やりたいことが分かっていても、手法を知らなければ何もできないことを感じました。

でも、良い機会になったので、また次も頑張りたいと思います。

 

マーケティングメトリックス研究所では、今回のような寄稿記事を募集中です。
ご興味のある方は、是非、お問い合わせください。

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