何歳を過ぎると「おじさん」に見られるのか?を分析してみた

松本 健太郎

 
株式会社ロックオンには「企業理念の理解浸透、体現促進」を目的として理念プロジェクトなる体制があります(参考記事はコチラ)。

メンバーは2年の任期が設けられ、期間中は目的に準拠した活動をしています。

さて、その理念Pですが、4月の社員総会にて行われた引き継ぎ式で、気になる点がありました。それは。

 

そのとき表示されていたスライド
そのとき表示されていたスライド

 

「おじさん枠」って何よ。

というか、畑(前回の内輪ネタの発信源の人)って「おじさん」なのか…?

気になることは、数値化して検証するのがマメ研。ということで、調べてみました。

 

株式会社ロックオンで働く46人の男性を対象に調査してみた

今回は株式会社ロックオンで働く46人の男性正社員(取締役含む)を対象に、株式会社ロックオンで働く女子20人に「お兄さんか?おじさんか?」を問うアンケートを取りました。

 

46人の社員たち。
46人の社員たち。

 

ちなみに46人の年齢のヒストグラムは以下の通りです。30代が多くいます。私も30代前半区間に分類されます。おじさん・お兄さんの区分が難しい年代ですね。

 

株式会社ロックオン男性46人の年齢のヒストグラム(5歳区分)
株式会社ロックオン男性46人の年齢のヒストグラム(5歳区分)

 

まず、アンケートデータを基に、年齢×”おじさん率”の散布図を作ってみました。

“おじさん率”とは、例えば松本(32歳)の場合、「お兄さんか?おじさんか?」というアンケートに対して20人中7人が「おじさんである」と回答しました。この場合、おじさん率は35%です。

46人分の結果は以下の通りです。

 

46人の「おじさん率」を年齢ごとにプロットした結果
46人の「おじさん率」を年齢ごとにプロットした結果

 

年齢が上がることに、おじさん率が上がっています。典型的なロジスティック曲線に見えます。

30代後半から変化しているように見えるので、これを年代単位で集計してみました。その結果は以下の通りです。

 

5歳区分単位で、おじさんに見える割合を集計
5歳区分単位で、おじさんに見える割合を集計

 

20代後半は殆どの人にお兄さんと見られるものの、年を重ねるにつれてその傾向は下がっていきます。

やはり限界点は30代後半にありそうです。一気に”おじさん率”が上がっていますね。40代以降は、ほぼ「おじさん」と言ってもよさそうです。

ちなみに、松本は”30歳~34歳区分”にあって、平均以上におっさん率が高いことが解りました。せっかくライザップで痩せたのに…。

おっさんか、お兄さんかは体型よりも、日頃の言動(おっさん臭い言動。例えば「お疲れやまです的な」)に関係しているのかもしれません。

 

回答者と被験者の相対年齢から「おじさん率」を計算してみる

ところで、先ほどの分析結果には大きな問題点があります。それは新入社員の女子から見た結果も、社会人10年目以上の女子から見た結果も一緒にしている点です。

年代単位でクロス集計してもいいのですが、回答者の年齢が2歳違うだけで回答結果が大きく異なっていたので、この微妙な差を表すため回答者と被験者の年齢差で、回答者の年代単位で集計することにしました。

 

2歳違うだけで「見え方」は全然違う、という例
2歳違うだけで「見え方」は全然違う、という例

 

この年齢差で見た「おじさんに見える率」は以下の通りです。

 

20代(平均年齢26.0歳)から見た、おじさんに見える割合を集計(2歳区分)
20代(平均年齢26.0歳)から見た、おじさんに見える割合を集計(2歳区分)

 
 
30代(平均年齢33.0歳)以上から見た、おじさんに見える割合を集計(2歳区分)
30代(平均年齢33.0歳)以上から見た、おじさんに見える割合を集計(2歳区分)

 

20代から見ると、およそ一回り上だと「おじさん率」が一気に高まります。非常にキレイな右肩上がり。

一方で30代は複雑な推移をしています。+1~+10歳の間で、割合が上がったり下がったりラジバンダリ。

先ほどの散布図で見ても、35歳~39歳の区間はおじさん率の高い人と低い人が混在していることから解るように「お兄さんとおじさんの切り替わりライン」のようです。

このことから、若い人から見て35歳超えたあたりからはだいたい「おじさん」である、しかし30歳を超えた人から見て35歳~40歳はお兄さんに見える人もいればおじさんに脱皮してしまった人もいる、と言えそうです。

 

k-means法でお兄さん/おじさんを分類する

見る人の目という影響はあれど35歳~40歳が“おじさん化”の境目ということがわかりました。そこで、株式会社ロックオン社員の”おじさん率”をベースに、社内の人間をお兄さんとおじさんに区分したいと思います。

先述した散布図を元に、k-means法を使って2つのクラスタに分類します。

 

> library(cluster);
> cluster <- kmeans(x=r$rate, centers=2)  // クラスタ数は、お兄さん、おじさんで2個。
> cluster

K-means clustering with 2 clusters of sizes 16, 30
Cluster means:
       [,1]
1 0.7937500
2 0.1566667

> plot(x=r$age, y=r$rate, col=cluster$cluster)

 
008
 

“おじさん率”が40%ラインで見事に分かれましたね。35歳~40歳のレンジで見ると、30%以下のグループと50%以上のグループに分かれました。(そのあたりは写真で何となく感じて下さい)

35歳~39歳のお兄さんグループと、おじさんグループを比較すると以下のことに気付けました。

<お兄さんクラスタ>7人 <おじさんクラスタ>7人
1. 役付きは少ない。(部長以上は元含め2人)
2. 小ざっぱりしたイメージ。
3. 肌ツヤが良さそう。健康そう。
4. 優しそう。
5. 筋肉。
6. 非昭和感。(昭和さを感じない)
1. 役付きが多い。(部長以上は元含め5人)
2. ひげのイメージ。
3. 肌がちょっと黒い。
4. 下巻いて「ゴルァ!」って言いそう。
5. NOT筋肉。
6. 昭和感。(年上感)

要は①清潔感、②見た目、③非権力、④日頃の言動、この4つが大事ということでしょうか。

みんな大好き星野源が35歳、坂口憲二が40歳です。①と②がめっちゃ大事だと思います。

 

ちなみに、お兄さんクラスタとおじさんクラスタは「結婚しているか否か」「子供がいるか否か」は関係ありませんでした。両クラスタに結婚済・子持ちが同数存在します。

つまり結婚したから年相応になったとか、子供がいるから老けて見えるとか、それはすべて言い訳なのです。

 

fuzzy c-means法でお兄さん/おじさんを分類する

クラスタリングでいつも悩むのは、2つのグループの何れかに属してしまうと、もう片方の属性が0%になってしまうという点です。

今回の分析事例で言えば、30%お兄さん・70%おじさんという場合も、おじさんクラスタに分類されてしまいます。それで果たして良いのでしょうか?

この問題を解決するために、fuzzy c-means法を使います。k-means法のようにクラスタkをいずれか1つに割り当てるのではなく、c個あるクラスタに対して係数に応じて割り当てる方法です。

この係数が、先述した「30%」お兄さんというやつです。実際に算出してみました。

 

> library(cluster);
> ?fanny
# https://stat.ethz.ch/R-manual/R-devel/library/cluster/html/fanny.html
> f <- fanny(r$rate, 2, memb.exp = 2)  // デフォルト値を使う
> h <- cbind(f$membership, c(0)) 
> c <- rgb((h)^(1/1))
> plot(x=r$age, y=r$rate, col=c, pch=16)

 
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比較的きれいに分かれましたが、Fuzzyに見ると、岸本は「お兄さん」と「おじさん」の中間にいるようです。色が赤と緑の中間になっています。

これはクラスタ分析では解らなかったことです。

岸本は「髭」属性なのですが、よくよく考えると髭が生えたお兄さんっぽい芸能人は多くいます。玉山鉄二とかオダギリジョーとか長瀬智也とか山田孝之とか竹財輝之助とか!

似合う髭ならOK!(無精ひげNG!)ってことでしょう。岸本も整えていて似合っていますからね。

 

一方で、「お兄さん」クラスタの中でも三原、山田、陽信、そして私の4名が「年齢の割におじさん係数が高い」という結果になりました。

4人に共通するのは、ぽっちゃり体型というところでしょうか。そういえば少し前は、ジャケットを着た後姿が「葬式で久しぶりに会った親戚の叔父さんみたい」と評されたことが松本にはあります。

いまはライザップに行って変わりましたけど!!

というわけで、先ほどの4項目を少しアップデートするなら①清潔感のある雰囲気(髭ぐらいなら似合っていたらOK)、②見た目(体型含む)、③非権力、④日頃の言動になるでしょうか。

もしかすると、おじさんクラスタに分類される可能性が強くなるのは、年齢だけでなく体型もあるかもしれませんね。

 

もし、さらに突っ込んで分析するのであれば、お兄さんクラスタの中でもおじさん係数の高い社員と低い社員の違いを明らかにして「お兄さん」から「おじさん」に切り替わる理由を見つけたいところです。

 

ちなみに今回の手法は、消費者のsegmentation、およびtargetingで比較的よく使われます。

通常のクラスタ分析では、購買力が弱いとされたtargetingも、Fuzzy c-menas法を用いれば「購買力弱いクラスタ」の中にいるセグメントのうち「購買力あるクラスタ」傾向が少しでもあるグループを見つけるのに役立ちます。

人間を100%か0%かで分類するほうが間違っているので、こうしたFuzzyな手法のほうが実際に合うでしょう。(Fuzzy c-means法の事例が少ないのです…)

 

まとめ

今回解ったことをまとめます。


・20代目線と30代目線では「おじさん」の境目は異なる
・だいたい35歳~40歳がボーダーラインではある(40歳以降は素敵なおじさんを目指す)
・大事なのは①清潔感のある雰囲気(髭ぐらいなら似合っていたらOK)、②見た目(体型含む)、③非権力、④日頃の言動の4つ
・おじさんに見られるようになるキッカケは体型(お腹ポコッ)の可能性強い

とは言え、一番大事なのは「おじさんになっても素敵な大人はたくさんいる」ということですね。

今回は年齢にフォーカスを絞った分析をしましたが、素敵なおじさんと残念なオッサンの境目を分析する機会があれば挑戦したいです